粛々と進められている?「勝鬨橋跳開」

加藤 豊

去る七月の定例都議会での「勝鬨橋跳開」に関する石原都知事の答弁は、わたしたちの活動を大いに元気づけてくれました。
「個性的な構造もあり、都民から親しまれてきたが、ひじょうに巧緻に出来たメカニズムであり、たまたまヨットクルーのお父さん(橋守さん)から『とにかく今ごろから上げていかないと将来はさびついて動かなくなる』との懸念を聞いたことがある。いずれにしろ、企画としては大変おもしろいので、今後、地元の区や警察等の関係機関、民間含めて相談したい」「ちょっと交通は渋滞するかも知れないが、閉塞した時気分をパッと広げ、あげるためにはいいイベントではないかと思う」都のホームページにのり、新聞にも掲載され、当PONTE19号でお知らせしたことで、都民のみならず全国的な反響が起き、沸き立ち、大きな期待が寄せられ、明るいムードが盛り上がった夏でした。
しかしその後、進展の情報が耳目に伝わってこず、また「都の本気」を訝る焦燥感が出ているので、都建設局に最近の動きを聞いてみました。以下、都の話を要約します。

@勝鬨橋は都道であり、貴重な橋の保全維持は、管理部門の使命である。

A知事が議会で発言した以上、管理部門として「その方向にできるかざり、早く落ち着くようにする」ことは当然であり、都の政策だから「他所」には任せられない。

B「跳開」するかぎり経費はほぼ同じであり、年一〜三回ではなく週末ごとなど常時あがるのが妥当であろう。その中でイベントがあってもよい。

Cこの場合、安定した機能、安全な交通を図ることが必要で、橋の途中で止まるなどして幹綻道路が閉鎖状態になることは責任上許されない。

D一方、これは現在の財政事情の中で目途をつけることが必要だが、予備的調査如何で十億円かどうかが決まってくる。

Eしかし金銭面のこと以前に、「都民の理解」と交通対策での「警視庁」との調整がある。

さらにもう少し具体的な情報が欲しかったので、次のような質問をした。
「現状では遅々としており、“跳開”が先々に延ばされて終わってしまう恐れがある。都民や、会員にもう少し具体的な情報を出してくれませんか」
これに対し、次のようなポジテイブな回答を得ることができた。

Fまず、予備調査、対内外調整、運用面での組織づくりなどを検討することが必要であり、これらに関して一応の目途を「年内か来年中にはつける」

と明快な返事。とにかく都管理部が着々と何かを検討している感触を得た。
今後はヒアリングを重ねることで、跳開でのスケジュールの確定に至らないとしても、部分的な改修など進展の情報が期待できると思う。
しかしこのままだとあがるとしても「跳開」は三〜五年先になってしまいそうである。

以上からして、わたしたち会員と地元が協力しあって民意の盛り上げに重点をおくことがさらに大切である。
今後、メディアヘのアプローチ、NPO的組織づくりによる基金募集活動をふくめ、都と連携した実行委員会の立ち上げなどを具体的に検討・実行する機会(とき)を失しないよう「みんなのチエ」を結集しましょう。ぜひみなさんからもご提案ください。
(平成15年12月・加藤豊)

(ponte No.20より)



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